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2千年前の鋳銭所跡から大量の遺物など出土 陝西省西安市

 

 漢長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡から出土した銅銭。(資料写真、西安新華社配信)

 

 【新華社西安10月8日】中国陝西省西安市にある漢代の官営鋳銭所跡「漢長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡」でこのほど、新たな発見があった。発掘調査で、前漢から王莽(おう・もう)新王朝時代(おおむね2000~2200年前)の銅銭や鋳銭用の陶製鋳型が大量に出土したほか、製錬・鋳造所、井戸などの遺構が見つかった。

 

 遺跡は、同市西咸新区灃西(ほうせい)新城の大王街道弁事所兆倫村一帯に位置し、前漢時代には皇帝の御苑「上林苑」に含まれていた。中国社会科学院考古研究所漢長安城工作隊と西安市文物保護考古研究院が2015年12月以降、共同で発掘調査を行っている。

長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡から出土した銅銭。(9月26日撮影、西安新華社記者/楊一苗)

 

 遺跡は南北二つのエリアに分かれており、北側は大型の環濠(かんごう)に囲まれた約10万平方メートルのエリア、南側は都市遺構となっている。考古学者は2021年3月に環濠エリア北部で新たな発掘調査を開始。今回の発見に至った。発掘エリアからは灰坑100カ所、住居跡3カ所、窯跡11カ所、井戸18本、れんが造りの池1カ所、製錬・鋳造所跡3カ所が見つかり、各種銭範(せんぱん、鋳銭用の鋳型)の破片数千片が出土した。れんがや銭範を敷いた地面も数カ所発見した。

 漢長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡から出土した銭範の破片。(9月26日撮影、西安新華社記者/楊一苗)

 

 中国社会科学院考古研究所の張建鋒(ちょう・けんほう)研究員によると、銭範の種類は「五銖(ごしゅ)」「大泉五十(だいせんごじゅう)」「小泉直一(しょうせんちょくいち)」「契刀五百(けいとうごひゃく)」「一刀平五千」などがあり、板瓦や坩堝(るつぼ)、送風管なども出土した。形状から見て、いずれも前漢から新王朝時代の遺物と推測される。

 

 漢長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡から出土した銅銭。(9月26日撮影、西安新華社記者/楊一苗)
 張氏は同遺跡について、中国に現存する前漢から新王朝時代にかけての最も重要な官営鋳銭遺跡だと説明。今回の発掘で出土した遺物と遺構は数も多く、形状も多岐にわたることから、当時の鋳銭技術や貨幣・経済政策などの変遷を研究する上で非常に大きな意義があると語った。(記者/楊一苗)

 

長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡から出土した銭範と陶器の破片。(9月26日撮影、西安新華社記者/楊一苗)

長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡の発掘現場。(9月26日撮影、西安新華社記者/楊一苗)

長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡の発掘現場。(9月26日撮影、西安新華社記者/楊一苗)

長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡の発掘現場。(資料写真、西安新華社配信)